2024/02/28 15:13


印象派の代表者、モネの連作絵画に焦点を当てた前代未聞の大規模モネ展が上野の森美術館で2023年10月20日からスタート!


日本初公開の大作《昼食》を中心とした印象派以前の貴重な作品も展示されます。
東京展は10月20日~2024年1月28日、大阪展は2024年2月10日〜5月6日に開催されますので、今回はモネについて徹底解説していきます。

〜目次〜

1.「モネ 連作の情景」見どころ解説
 ①「睡蓮」連作 :「睡蓮」1897-98年 /「睡蓮の池」1918年
 ②「積みわら」1891年
 ③「 ウォータールー橋、ロンドン」連作 :「曇り」1900年/「夕暮れ」1904年/「日没」1904年
 ④「昼食」1868-1869年
2.展覧会情報

〜*〜

1.「モネ 連作の情景」見どころ解説

〈積みわら〉や〈睡蓮〉などの多彩なモティーフの「連作」など、展示作品のすべてがモネ!
印象派の誕生(1874)から150年を迎える今年2023年、東京と大阪を会場に国内外のモネの代表作60点以上が展示されます。

見どころ作品① 睡蓮 連作睡蓮 1897-98頃 キャンバスに油彩 66.0×104.1cm ロサンゼルス・カウンティ美術館

1895年〜1897年は太鼓橋が描かれた睡蓮の絵が多かったのですが、1897年頃〜1900年初頭は上の図のように睡蓮のみをクローズアップするようになります。

睡蓮の池 1918頃 キャンバスに油彩 131.0×197.0cm ハッソ・プラットナー・コレクション

モネは自宅の庭園に大きな睡蓮の池を作り、そこで睡蓮の連作を描いていました。しかし1910年、フランスのセーヌ川が大氾濫を起こし、モネの庭の睡蓮も大きな損害を被ります。
1911年には最愛の妻も亡くなり、心身ともに消沈し制作を中断してしまいます。
1912年、モネは白内障の診断を受けて手術します。その後病状も落ち着いてきて、再び活発に制作活動をするようになった頃の作品が、上の図の「睡蓮の池」です。
どことなく、睡蓮が元気に咲き誇っているように見えますね。


見どころ作品② 積みわら


積みわら、雪の効果 1891 キャンバスに油彩 65.0×92.0cm スコットランド・ナショナル・ギャラリー

1890年にジヴェルニーに戻ったモネは、娘と丘の斜面を散歩中に「明るく光る積みわら」を見つけます。この作品は、その積みわらの光に魅了されたモネが連作として描いた「積みわら」シリーズの中の一枚です。
彼が体系的に「連作」の手法を実現したのは〈積みわら〉シリーズが最初で、大変貴重な作品です。
今回の展示で見られる《積みわら、雪の効果》は、1891年5月に画商・デュラン=リュエルの画廊で展示された、15点の連作のうちの1点です。

見どころ③「 ウォータールー橋、ロンドン」連作ウォータールー橋、曇り 1900 キャンバスに油彩 65.0×100.0cm ヒュー・レイン・ギャラリー


ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ 1904 キャンバスに油彩 65.7×101.6cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー

モネは1870-1871年に起こった普仏戦争から逃れるため、1870年にロンドンを初めて訪れました。その時にロンドンの街に魅了され、1899年から1905年にかけて定期的にロンドンを訪れて作品を描きました。

「ウォータールー橋」はロンドンのテムズ川に架かる橋で、モネはこの橋の連作を、40作品以上も描いています。そのような思い入れのある「ウォータールー橋」。こんなにもたくさんの作品を連作で描いたほど、モネにとって魅力的な題材だったということがわかります。

見どころ④「昼食」1868-1869年

昼食 1868-69 キャンバスに油彩 231.5×151.5cm シュテーデル美術館

「昼食」は、モネが1868年に描いた作品で、印象派が設立される前の作品です。この作品は、1870年にパリで開かれた官展(サロン)に出展されましたが、あまりにも斬新な作品だったために落選しました。
テーブルの向こう側に座っているのは、1870年にモネの妻になるカミーユと息子のジャンであり、反対側の誰も座っていない席はモネの席だと言われています。
希少な「モネの黒」を味わえる初期の代表作は今回が初来日です。


2.展覧会情報


「モネ 連作の情景」

【東京展】
会期:2023年10月20日-2024年1月28日
会場:上野の森美術館

【大阪展】
会期:2023年10月20日-2024年1月28日
会場:大阪中之島美術館

公式サイト:https://www.monet2023.jp/


いかがでしたか?
モネの作品を60点も見ることができる展覧会はなかなか開催されないので、ぜひモネの世界を楽しみに美術館へ足を運んでくださいね。